일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちちのてがみ

父の手紙

宮本 百合子

宮本 百合子의 父の手紙(ちちのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,317자 · 5화면

아오조라 문고

と呼ばれる昔の離宮のある公園町の下宿に暮していて、その報知の電報をうけとった。

あとからその前後の模様を書いた手紙が来たが、それは父が書いた手紙であった。丁度そのころの日本の若い精神がその青春の嵐とともに直面していた歴史的な波瀾だの、そのことと弟の内生活の相剋だのの点には、余りふれられていなかったが、愛する息子を喪ったもう若くない父親が、八月の蒸し暑い雨の夜、その雨のしずくに汗と涙を交えて頬に流しつつ、湿ってとかく停ってしまう扇風機をもって土蔵の半地下室に向う低い窓から、必死に新しい空気を息子のために送ろうと努めた状況は、その手紙に生々しく描かれていて、遙な土地と新しい社会の空気の中にあって、それを読む娘を震撼させた。涙をふいては読み、読んでは涙をふいた。その手紙の終りには、父がその打撃に雄々しく耐えようとしているとおり、百合子も悲しみに耐えようとしているのは結構であるし、このことのために帰国しようとしないのももっともだと思うと、書かれていた。

私は可愛い一人の弟がそういう風に生れ合せた時代と、自分の命とを扱ったのなら、その弟への愛と悲しみのためにも、または父の悲痛への尊敬のためにも、自分は積極的に生の方向を充実させようと願ったのであった。