후리가나로 읽는 일본 고전
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면
大蔵省は市民に対して莫大な低利資金を貸出す準備を早急にしなければならぬことになって、そのため、この地方のような山間農村にいまなお多く散在して、不税のまま放置されている『荒蕪地』なるものを民間に払下げる案をたて、帝都復興院総裁後藤新平はそれによってお得意の大風呂敷を拡げ、「大東京計画」なるものをでっち上げて、向う七ヵ年間に諸君の東京を世界的な文化都市にして見せると豪語して、やんやの喝采を博したとのこと。
それはとにかく、税務署でさっそく議会の決議に応じたものと見え、この村の不毛地に対し、畦地は熟田の時価の半額見当に、畑ざかいの荒地は隣接の畑地の約半額と言ったふうに『査定』し、急遽払下げの通告を村役場へよこしたものである。
その頃、儀作はいまでもはっきり覚えているが、村ではちょうど秋の収納が大方終って、儀作自身のような小作階級のものは、例によって地主へ年貢米や利子払いを殆んど済ましていたし、その他、肥料屋の払いや、村の商い店――油屋からの半期間の細々した帳面買いも、とにかくどうにか片をつけて、旧正月も貧しいながら待っているというような時期で、村には余分の金など、地主たちを除いては一文もなかったのである。