후리가나로 읽는 일본 고전
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きつね
狐
永井 荷風
永井 荷風의 狐(きつね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,770자 · 20화면
父は洋服に着換る為め、一先屋敷へ這入る。田崎は伝通院前の生薬屋に硫黄と烟硝を買いに行く。残りのものは一升樽を茶碗飲みにして、準備の出来るのを待って居る騒ぎ。兎や角と暇取って、いよいよ穴の口元をえぶし出したのは、もう午近くなった頃である。私は一同に加って狐退治の現状を目撃したいと云ったけれど、厳しく母上に止められて、母上と乳母の三人で、例の如く座敷の炬燵に絵草紙を繰拡げはしたものの、立ったり坐ったり、気も気では無い。鉄砲の響と云えば、十二時の「どん」しか聞いた事がない。あれは遠い丸の内、それでも天気のいい時には吃驚りするほど座敷の障子を揺る事さえある、されば、すぐ崖下に狐を打殺す銃声は、如何に強く耳を貫くであろう。家中の女共も同じ事、誰れか狐に喰いつかれはしまいか。お狐様は家の中まで荒れ込んで来はしまいか。お念仏を称えるもの、お札を頂くものさえあったが、母上は出入のもの一同に、振舞酒の用意をするようにと、こまこま云付けて居られた。
私は時々縁側に出て見たが、崖下には人一人も居ないように寂として居て、それかと思う烟も見えず、近くの植込の間から、積った雪の滑り落ちる響が、淋し気に聞えるばかり。