후리가나로 읽는 일본 고전
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ねことしょうぞうとふたりのおんな
猫と庄造と二人のおんな
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 猫と庄造と二人のおんな(ねことしょうぞうとふたりのおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,020자 · 131화면
まして猫の寿命から云えば、十年と云う歳月は、多分人間の五六十年に当るであろう。それを思えば、もう一と頃の元気がないのも道理であるとは云うものの、カーテンの頂辺へ登って行って綱渡りのような軽業をした仔猫の動作が、つい昨日のことのように眼に残っている庄造は、腰のあたりがゲッソリと痩せて、俯向き加減に首をチョコチョコ振りながら歩く今日この頃のリリーを見ると、諸行無常の理を手近に示された心地がして、云うに云われず悲しくなって来るのであった。
彼女がいかに衰えたかと云うことを証明する事実はいくらもあるが、たとえば跳び上り方が下手になったのもその一つの例なのである。仔猫の時分には、実際庄造の身の丈ぐらい迄は鮮やかに跳んで、過たずに餌を捉えた。又必ずしも食事の時に限らないで、いつ、どんな物を見せびらかしても、直ぐ跳び上った。ところが歳を取る毎に跳び上る度数が少くなり、高さが低くなって行って、もう近頃では、空腹な時に何か食物を見せられると、それが自分の好物であるか否かをたしかめた上で、始めて跳び上るのであるが、それでも頭上一尺ぐらいの低さにしなければ駄目なのである。