후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
岸の上で一度に洩らす失望の溜息が夕立のように聞こえ出した。
「もう詮ない、時刻が来た」
「いかに神がみを頼んでも、降らぬ雨は降らぬに決まったか」
「いや、まだ力を落とすまい。午を過ぎたら玉藻の前の祈りじゃというぞ」
「播磨守殿すらにも及ばぬものを、女子の力でどうあろうかのう」
「かの御は知恵も容貌も世にすぐれたお人で、やがては采女に召さりょうも知れぬという噂がある。その祈祷じゃ。神も感応ましまそうも知れまい」
噂のぬしは午の刻を合図に、その優艶な姿を河原にあらわした。玉藻もきょうは晴れやかに扮装っていた。彼女は漆のような髪をうしろに長くたれて、日にかがやく黄金の釵子を平びたいにかざしていた。五つ衣の上衣は青海波に色鳥の美しい彩色を置いたのを着て、又その上には薄萌黄地に濃緑の玉藻をぬい出した唐衣をかさねていた。彼女は更に紅打ちの袴をはいて、白地に薄い黄と青とで蘭菊の影をまぼろしのように染め出した大きい裳を長く曳いていた。あっぱれ采女のよそおいである。頼長はそれをひと目見て、彼女の僭上を責めるよりも、こうした仰々しい姿にいでたたせた兄忠通の非常識に対して十二分の憤懣を感じた。