후리가나로 읽는 일본 고전
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ことのそらね
琴のそら音
夏目 漱石의 琴のそら音(ことのそらね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,985자 · 42화면
茶碗の底を見ると狩野法眼元信流の馬が勢よく跳ねている。安いに似合わず活溌な馬だと感心はしたが、馬に感心したからと云って飲みたくない茶を飲む義理もあるまいと思って茶碗は手に取らなかった。
「さあ飲みたまえ」と津田君が促がす。
「この馬はなかなか勢がいい。あの尻尾を振って鬣を乱している所は野馬だね」と茶を飲まない代りに馬を賞めてやった。
「冗談じゃない、婆さんが急に犬になるかと、思うと、犬が急に馬になるのは烈しい。それからどうしたんだ」としきりに後を聞きたがる。茶は飲まんでも差し支えない事となる。
「婆さんが云うには、あの鳴き声はただの鳴き声ではない、何でもこの辺に変があるに相違ないから用心しなくてはいかんと云うのさ。しかし用心をしろと云ったって別段用心の仕様もないから打ち遣って置くから構わないが、うるさいには閉口だ」
「そんなに鳴き立てるのかい」
「なに犬はうるさくも何ともないさ。第一僕はぐうぐう寝てしまうから、いつどんなに吠えるのか全く知らんくらいさ。しかし婆さんの訴えは僕の起きている時を択んで来るから面倒だね」
「なるほどいかに婆さんでも君の寝ている時をよって御気を御つけ遊ばせとも云うまい」