후리가나로 읽는 일본 고전
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びわでん
琵琶伝
泉 鏡花
泉 鏡花의 琵琶伝(びわでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,081자 · 24화면
弾丸の中に行く人の、今にも来ると待ちけるが、五分を過ぎ、十分を経て、なお書斎より来らざるにぞ、謙三郎はいかにせしと、心々に思える折から、寂として広き家の、遥奥の方よりおとずれきて、
「ツウチャン、ツウチャン。」
と鸚鵡の声、聞き馴れたる叔母のこの時のみ何思いけん色をかえて、急がわしく書斎に到れり。
謙三郎は琵琶に命じて、お通の名をば呼ばしめしが、来るべき人のあらざるに、いつもの事とはいいながら、あすは戦地に赴く身の、再び見、再び聞き得べき声にあらねば、意を決したる首途にも、渠はそぞろに涙ぐみぬ。
時に椽側に跫音あり。女々しき風情を見られまじと、謙三郎の立ちたる時、叔母は早くも此方に来りて、突然鳥籠の蓋を開けつ。
驚き見る間に羽ばたき高く、琵琶は籠中を逸し去れり。
「おや! 何をなさいます。」
と謙三郎はせわしく問いたり。叔母は此方を見も返らで、琵琶の行方を瞻りつつ、椽側に立ちたるが、あわれ消残る樹間の雪か、緑翠暗きあたり白き鸚鵡の見え隠れに、蜩一声鳴きける時、手をもって涙を拭いつつ徐に謙三郎を顧みたり。
「いいえね、未練が出ちゃあ悪いから、もうあの声を聞くまいと思って。