후리가나로 읽는 일본 고전
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せいぜんしんごのこと
生前身後の事
中里 介山
中里 介山의 生前身後の事(せいぜんしんごのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,804자 · 83화면
ものだが、舞台へかかる足どりにも八里の難道という足どりは無く、峠の上へ来て四方を見渡す態度にも境界そのものがなくて、どうも見栄を切って大向うの掛声を待ち受けるものの如くにしか見えなかったので、あゝこれは見ない方がいいと我輩はそのままサッサと帰って京阪の秋景色を探り木曾路から東京へ帰ってしまった、斯ういう態度は小生の方も少し穏かでないかもしれないが、これはどうも自分の癖で意気の合わぬものを辛抱してまで調子を合せるということは我輩には出来ぬことである、沢田君も多少その辺から癪に障っていたかもしれぬ。
そうしているうちに、愈々また東上してたしか明治座での再度の旗揚であった、そこで我輩もまあ一度だけは東京であのまま演らせて見るほかはあるまい、一度だけは黙認していようという態度をとっていたのが悪かったのだ、神戸の時にすっかり絶縁を宣告して置けばよかったのかもしれないが、生じい親切気を残したのが却って彼の為に毒となったようだ。
果して大菩薩峠を持ち来した再度の旗揚げは彼の出世芸であった、その興行的成功は我輩にとっては予想外でも何でも無かったが世間には予想外であった、前の時にあれほどみじめなものが、こんどは連日満員また満員で、満員を掲げなかった