후리가나로 읽는 일본 고전
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でんえんのまぼろし
田園の幻
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 田園の幻(でんえんのまぼろし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,053자 · 17화면
型も小さかった。だいぶ上まで溯ったが、いくらも捕れなかった。それでも、食膳に野趣を添えるには充分だ。魚籠の底には、鮮鱗が青白く光っている。
堤防に上り、田圃道をぬけて、家へ戻る。どういうわけか、この投網の夜打ち、往きも帰りも無言がちだ。村中も通らない。身も心もすっかり、大自然の夜気に浸しきった気持ちである。
ドンドコ、ドンドコ、ドーン、ドーン……太鼓の音がまだ聞えていた。
魚の料理は下女に任せて、私たちは顔や手足を洗った。宗太郎は着物を換えて八幡様へ出かけて行った。母が酒肴をさげてそちらへ行ってるのである。私は宗吉と差し向い、隠居所の室で酒をくみ交した。
宗吉は私より年上で、長兄の友人なのだ。ふだんは私に丁寧な言葉遣いをし、酒がはいるとぞんざいな口を利く。
「どうです、仕事は捗取りますか。」
なんども同じことを聞かれた。研究所の調査と整理の急な仕事があって、暫く他事の煩いなく専心勉強が出来て而も安価に滞在出来る所はあるまいかと虫のいいことを兄に相談すると、兄はすぐ宗吉の家の隠居所を勧めてくれた。隠居所に建てた室だが、その隠居が亡くなって空いており、見晴しもよく、閑静で、而も東京に近く、田舎の食物さえ辛棒すれば理想的な所だと言うのである。