후리가나로 읽는 일본 고전
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いなかもの
田舎者
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 田舎者(いなかもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,181자 · 26화면
それでも岸本の心の奥には、小母さんとも云いきれず、マダムとは猶更云いきれず、それかって恋とか愛とかの対象とは更に縁遠い、何か夢の幻影みたいなものが、はっきり残っているのであった。
それをどう説明してよいか、岸本は自分でも分らなかったのである。それさえはっきりすれば、マダムと「ドラ鈴」との肉体的関係のないことなどは、一度に分る筈だった。
「とにかく、何の関係もないことは、僕がよく知っている。」
岸本はそう云いながら、やはり室の中をのっそり歩いていたが、みんなは、知ってるだけでは分らない、うまくしてやられてるんじゃないかな、としきりに揶揄してくるのだった。一寸考えなおしてみれば、何でもないことで、どうでもいいじゃないかと投げ出せることだったが、そいつが妙にこんぐらかって、その上、彼等のうちの、髪をきれいに分けた、顔の滑かな、時々、芸妓なんかを連れてくることのある、若旦那風の角帯の男が、黙ってにやりにやりしているのが、いけなかった。マダムのために一杯飲もうと、ビールの杯を挙げるような男だが、そいつが、黙っておもてで笑いながら、裏からじっと覗いてるようだった。