후리가나로 읽는 일본 고전
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いなかもの
田舎者
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 田舎者(いなかもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,181자 · 26화면
指先で押したら餅みたいに凹みそうなその肉附が、先ず彼の眼についた。それから、短いが黒い硬い髪の毛、額の深い横皺、荒い眉毛と小さな眼、がっしりした鼻と貪慾そうな口、その口から出る声がばかに物静かで細かった。その声と眼と全体の感じとが、恐らく「ドラ鈴」の綽名の由来らしいが、うまくつけたものだと岸本は後になって思ったのである。ところがその最初の印象は、暫く話してるうちに他の印象と重りあって、茫とした捉えどころのないものとなった。物静かな細い声が出る口から、時々、太っ腹らしいばかげた哄笑がとび出してくるし、小さな眼から、時々、鋭い針のようなものが覗き出すのだった。ところがまた、彼が学校のことや将来の志望などを述べてるうちに、いつしか哄笑は影をひそめてしまい、眼はその針を隠してうっとりと、丁度居眠りでもするような色合になってきた。そこで岸本は電車の中で見る「東京人」の顔を思い浮べ、こくりこくり居眠りしてるか、鋭く神経質に人の虚を窺ってるか、二つに一つの顔しかないことを考えだし、依田氏の顔を不思議そうに眺めながら云った。
「お眠いんですか。」
依田氏ははっと眼を見開いて、太い眉根を寄せたが、言葉の意味が分ると、とってつけたように笑って、日曜日は余り早く人を訪問するものではないと、田舎者をさとすらしく云ってきかせた。