후리가나로 읽는 일본 고전
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しんようどうき
申陽洞記
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 申陽洞記(しんようどうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,175자 · 11화면
李生はどこまでもとその獲物を追っ駈けた。落ちかけた夕陽がひょろ長い赤松の幹に射しているのが見えた。獣は見えなくなってしまった。李生はその獲物の姿の隠れて往った谷の下の林の方を見て立った。
いつの間にか陽が入っていた。紫色に煙って見える遠山の空に一抹の夕映の色が残っていた。李生は驚いて急いで山をおりようとした。方角は判らないが、夕映から見当をつけて、南と思われる方へおりて往った。林の下はうっすらと暮れていた。鳥や獣の啼く物凄い声が谷々に木魂をかえした。山のうねりが来た。李生はそのうねりを登って往った。古廟の屋根が見えた。李生はそれを見ると、そこで夜を明かして朝になって家へ帰ろうと思いだした。彼はその廟を目がけて登って往った。
古廟は柱が傾き、簷が破れ、落葉の積んだ廻廊には、獣の足跡らしい物が乱雑に著いていた。李生は気味が悪いが他にどうすることもできないので、廡下へ腰をおろし、手にしていた弓を傍へ置いて、四辺に注意しながら休んでいた。廟の前の黒い大木の梢には、二つ三つの星の光があった。
人の声とも獣の声とも判らない声が聞えてきた。李生は耳を傾けた。それは国王や大官の路を往く時に警蹕するような声であった。