후리가나로 읽는 일본 고전
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ほったん・でんわじけん
発端・電話事件
式場 隆三郎
式場 隆三郎의 発端・電話事件(ほったん・でんわじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,102자 · 7화면
夏目漱石は家人のすすめで、やむなく電話を買ったが、うるさいからといってしばらく受話器をはずさせておいたという。自分の方からはかけるが、人からの呼出しには応じないわけである。これは漱石の神経症状のみられたころの奇行として、重大な意味をもたせてよいものか、反対にユーモラスな悪戯として笑ってすませるべきだろうか。それとも単なるゴシップで、事実無根であったろうか。
電話に関する綺譚、怪談、悲劇も、かぞえあげたら一冊の本になるくらい多いだろう。私にも、ひとつ思い出がある。子供の頃うちで電話を買ったが、前の持主は事業に失敗した商人だった。彼はいよいよ明日は電話をはずされるという前夜に、その電話機に紐をかけて縊死してしまった。仕事のゆきづまりで、もうどうにもならなかったのであろうが、大切な電話を失うことも大打撃だったにちがいない。それだけでも不吉な電話なのに、番号が「四二番」で「死に」通じるのだった。この二重に不吉な電話は、私の家でも気味悪がってしばらくひきとらずにいたが、そのうちにやむなくひきとって、茶の間の押入の中につけられた。重い板戸のなかで、ジーン、ジーンと電鈴がなると、先の持主の恨めしそうな声でもきこえてきそうで、私はたちすくんだものだった。