후리가나로 읽는 일본 고전
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しらふじ
白藤
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 白藤(しらふじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,822자 · 16화면
「その二つだけ。それきりないよ。」
「そんなら、わたし、蔓を伸びるだけ伸ばしといて、あとは、その……自然の技術に任せて、花を咲かせることにするわ。」
「然し、幾年もかかるよ。」
「幾年かかってもいいわ。だけど、来年も咲かせないの。その、なんとかいう……人工の技術、それで咲かせましょうよ。手伝って下さるの。」
「さあ、僕に出来るかどうか分らないけれど、やってみよう。」
「きっとね。植木屋なんかに頼まないで、わたしたちだけで咲かせましょうよ。」
保治は深く頷きました。と同時に、彼をじっと見ている美代子の眼眸に、なにか一徹な熱いものが籠っているのを感じました。彼女の平凡な眼は、病気になってから、時折、見通し難い深さを示すことがありました。今も、保治はその深い底を判じかね、ただその底に一徹な熱いものだけを感じて、恐れる気持ちになりました。そして言いました。
「きっと咲かせるよ。咲いたら、その花を耕一君に捧げよう。」
美代子は頷いてみせましたが、言葉には何も出しませんでした。
然し、そういう約束も、果すことが出来なくなりました。保治に召集令状が来たのでした。
秋の半ばで、まだ紅葉には早く、藤の葉も青々としていました。