후리가나로 읽는 일본 고전
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めらはかせのふしぎなはんざい
目羅博士の不思議な犯罪
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 目羅博士の不思議な犯罪(めらはかせのふしぎなはんざい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,493자 · 31화면
二
「ご馳走を辞退するのではありません。僕は遠慮なんかしません。併し、僕のお話は、明るい電燈には不似合です。あなたさえお構いなければ、ここで、ここのベンチに腰かけて、妖術使いの月光をあびながら、巨大な鏡に映った不忍池を眺めながら、お話ししましょう。そんなに長い話ではないのです」
私は青年の好みが気に入った。そこで、あの池を見はらす高台の、林の中の捨て石に、彼と並んで腰をおろし、青年の異様な物語を聞くことにした。
二
「ドイルの小説に『恐怖の谷』というのがありましたね」
青年は唐突に始めた。
「あれは、どっかの嶮しい山と山が作っている峡谷のことでしょう。だが、恐怖の谷は何も自然の峡谷ばかりではありませんよ。この東京の真中の、丸の内にだって恐ろしい谷間があるのです。
高いビルディングとビルディングとの間にはさまっている、細い道路。そこは自然の峡谷よりも、ずっと嶮しく、ずっと陰気です。文明の作った幽谷です。科学の作った谷底です。その谷底の道路から見た、両側の六階七階の殺風景なコンクリート建築は、自然の断崖の様に、青葉もなく、季節季節の花もなく、目に面白いでこぼこもなく、文字通り斧でたち割った、巨大な鼠色の裂目に過ぎません。