후리가나로 읽는 일본 고전
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ガラスをやぶるもの
硝子を破る者
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 硝子を破る者(ガラスをやぶるもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,761자 · 14화면
汽車はあいかわらず満員である。
吹雪で遅れ遅れするので、駅には前からの乗客が溜って益々混雑をひどくするらしい。
やっと窓際の席がとれて、珍しいことと喜んだのも束の間、硝子が破れているので、雪を雑えた零下十度の風が遠慮なく吹き込んで来る。とてもたまったものではない。前に坐っている五十余りの闇商人らしい男が、風呂敷を窓にあてがっているが、どうも巧くとまらない。
何度もやって見てとうとう諦めたらしく、外套の襟を立て襟巻をぐるぐる首に巻いて、身体を丸くして縮まり込んでしまった。風呂敷がばたばたと風にあおられて、五月蠅いばかりでなく、余計に寒いような気がする。
私の方も同様にちぢこまっている。ふと眼が会ったら、その男が半分は一人言のように、半分は私に話しかけるような調子で「戦争に敗けりゃあこんなもんだ。仕方がないや」とつぶやいた。私はちょっと可笑しくなって「だって君、これは何もアメリカの兵隊が割ったんじゃないんだよ。硝子を割ったのは皆日本人なんだろう」と言うと、その男も「そう言えばそうだね」と苦笑した。
日本人が汽車の窓硝子を破るようになったのは、窮乏のために平常心を失ったからであり、窮乏は敗戦に原因する。