후리가나로 읽는 일본 고전
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しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
国枝 史郎의 神秘昆虫館(しんぴこんちゅうかん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,803자 · 213화면
すると吉次は、一本足で立ち、高々と松葉杖を振り上げたが、姿勢の立派さ、驚くばかり、地へ生え抜いた樫の木だ。と、そろそろと松葉杖を、下へ下へと下ろして来た。トンと突くと倚っかかり、して云い出したものである。
「見事、さすがは、一式氏、よく避けましたな、拙者の一撃! 百に一人もなかった筈だ。だが……」と云うとピョンピョンと飛んだ。「二撃がある、三撃がある、四撃五撃といつまでも襲う! 遁がさぬぞよ、遁がすものか! 逃げたら卑怯、武士とは云わせぬ! さあ抜け抜け、汝も抜け!」
小一郎の前方約一間、そこまで迫って来た片足の吉次は、例によって全身を左へ傾け、一本の足で支えたが、ジリジリジリジリと松葉杖を、上へ上へと上げて来る。狙いはどこだ。解らない! ただジリジリと上げて来る。
「ちょっと凄い」と小一郎は、睨み付けながら考えた。「足か、胴か、横面か、それとも頤か、さっきのように。……あいつを受けたら粉微塵、骨肉共にけし飛ぶだろう。……習った武道とは思われない。あしらいにくいよそれだけに。……切って捨てるに訳はないが、しかし相手は片輪者、それに昆虫館土着の人間、非難が起ころう、討ち果たしてはな」