일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

国枝 史郎의 神秘昆虫館(しんぴこんちゅうかん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,803자 · 213화면

아오조라 문고

次第に半円が縮まって来る。後へ後へと小一郎は、退かざるを得なかった。

「どうしたものだ、どうしたものだ!」小一郎は焦燥を覚えて来た。下段に引き付けた太刀構えが、だんだん上へ反ろうとする。

と、その時小一郎の眼に、チラリと映ったものがある。敵勢の背後、家並の軒、月光の射さない一所に、じっとこっちを見詰めながら、スラリと立っている人影である。黒頭巾で顔を隠している。黒の振り袖を纒っている。裾が朦朧と暈けている。裾模様を着ているためらしい。まさしく女に相違ない。左の肩に生白く、懸けているのは何んだろう? 袋のようなものである。

と、そこから声がした。

「お放しなさりませ、永生の蝶を」

その女が小一郎へ云ったのである。「冷泉華子でございます」

「ははあさてはこいつだな」咄嗟に小一郎は感付いた。「女方術師の蝦蟇夫人! ……放すかな、永生の蝶を!」

その間もジリジリと敵の勢は、威嚇的に無言に逼って来る。そいつに連れて小一郎は、後へ後へ後へと下がる。

「これはいけない、崖縁だ!」小一郎は総身汗ばんだ。片足の踵が大川の崖へ、今や半分かかったのである。もう絶対に引くことは出来ない。