후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
「あくまで、そちは儂に幕府をおしつける心か」
「旧北条のごとき弊に堕ちず、かならず、よき前例にしたがって、献身、朝廷にお仕えつかまつりたいものと存じまする」
「が、そちの請いを容れることは、儂の信念をすてることだ。復古と王政の実現とは、儂の生命。なんとしよう?」
「いや、御理想のあるところは、きもに銘じて、尊氏直義共に、決しておろそかにはいたしませぬ」
「なにを以てそれを?」
「公武一和の真心をもちまして」
「ム。……。公武一和か。……ム。考えておこう」
後醍醐は、お疲れ気味に、ふたたび何の仰せもなかった。
尊氏も疲れに気づいた。なにか、龍と虎とが、嘯きあッて闘ッたあとのような、はなはだしい気息の色を、後醍醐にも見、自分にも知って、
「ま。……いずれまた、よき折に、改めてまかり出ましょう」
と、ほどなく、御座のあたりを退がった。
そして、昼なのに、人声もない廻廊やうす暗い廂ノ間を通って、元の中門廊のほうへ彼が戻りかけてくると、ふと、細殿の蔭から、誰かよびとめる者があり、それは蜘蛛の巣だらけな辺りとは余りにかけはなれた美しい粧いのひとだっただけに、思わず竦みを感じたほどだった。