후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(三)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 222,108자 · 446화면
そしてその深淵の龍王がそのまま後醍醐のおすがたのように彼へ映った。
「忘れまい」
後醍醐は、やがてぽつんと、仰っしゃった。
「道誉。今のもののふにも、そちのような者もいたのか。まだ世は末でないの」
「御諚、身にすぎまする」
道誉は、この寒いのに、汗をおぼえた。自分という奴の人間性をかえりみて忸怩となったためでもない。依然、そのお方の持つ不可思議な牽引力にぐいぐい吸い込まれそうな自分を感じつつ内心でその縁に踏みとどまらんとしていたからであった。
が、彼は侍座の二人へ、さりげない眼を移していた。
「この上にも、何なりと御用仰せつけられませい。道誉が身に及ぶことなら、いかようにも取り計らいましょう」
すると行房が、折入って道誉に一つの嘆願をした。
「ここへはただ一度、中宮(皇后)のお歌が届けられたのみです。ほかの女御たちの御消息は絶えてない。いずれはみな他家に幽せられておわそうが、何とか共にここの御座に侍って、お上の憂さをおなぐさめするようには計ろうてもらえぬか」
「いや、それはひそかに、此方もお察し申し上げていました。帝のお側に一人の女性がおいでなくてはと」
道誉はのみこんで退出した。