후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(三)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 222,108자 · 446화면
案内のためにである。そして、道すじを伏見街道に変えて、深草の里から大宮大和路へ抜け、月輪の方へすすんでいた途中だった。
兵馬の列が通ると、行くところの道ばたにすぐ人だちがするのはいつものことだが、いまも月輪殿の長築土まで来ると、路傍の物売りや尼や雑人たちの中に交じって、旅笠に垂れ衣した若い女性と、そのそばに年ごろ八、九歳の可憐な少年が寄り添っているのが見えた。いや、たんに眼にとまったぐらいでなく、妙に高氏の眸をそれはひきつけた。
「……?」
とつぜん彼の頭裡には、鎌倉の一ツの辻と或る女の姿が、突拍子もなく思い出された。
まさかと、彼は打ち消してみたものの、女の連れている少年がさらに気になった。少年のどこか脾弱そうで美しい眉目が彼の眸をとらえて離さなかった。――高氏はつい、過ぎてからも、振り返った。
すぐ二月に入っていた。春は俄に来た感じである。
「ここも悪くない」
羅刹谷の宿所にも馴れ、馴れるがままに、ときには高氏もこう呟く。
山荘はひどい古御所で、使用にたえないほどだが、兵も馬も不足はいわない。彼もまた、崖に架した危なッかしい一殿を寝るにも起きるにもつかっている。