후리가나로 읽는 일본 고전
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かがくのせいしんを
科学の精神を
宮本 百合子
宮本 百合子의 科学の精神を(かがくのせいしんを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,860자 · 4화면
うちの子にヴィタミンがいるという知識は、やはり科学知識の一つであるのにちがいはない。
しかし、そのとき、その場に居合わせる人の中でそのトマトを一番欲しがっているというよりも一番必要としているのはどういう状況の子供か、というところへ迄、母親としての念が働いてゆくとき、そこには最も初歩の形なりに科学の精神が輝くのだと思う。母性の愛は、科学の精神に導かれて、主我的な我が子への執着からよりひろやかな人間の子の母の心情へまで移って行き得るのである。
真実を儚かない態度とか、同情、愛というような私たち人間の感情を、古風な学問の範疇では道徳、倫理の枠に入れて考えて、科学とそういうものとは別々に云いもし、教えもしていた。仮に二つのものを一つに結び合わして考えたい心持のひとは、二つに分けられたままにただそれを並べてくっつけて云って、結果としては科学知識プラス宗教或は科学知識にプラス道義とかいう形に止った。
人間精神の溌剌さは、現実のうちではそういう不器用なハンダづけをとび越して、科学の精神そのものの道をとおって美であり善であるところへ迄も到達する可能を示している。