후리가나로 읽는 일본 고전
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ちちぶのおもいで
秩父のおもいで
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 秩父のおもいで(ちちぶのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,234자 · 7화면
が、伯楽でなければ千里の駿足を冀北の野から拾い出せない。凡眼には名家の手に成る絶大の大作も反古紙と同様である。私の盲いた目には、秩父の森林美も、あわれ名物狼餅ほどにも感じなかったのである。全く森林の美しさをはっきり知るようになったのは、渓に入ることを覚えてからであった。
想えば私の登山慾は、明治三十八、九年をさかいとして稍間歇的になった。それが二、三年の後田部君と識るようになって、復ぶり返した形である。同君は初め海の讃美者であった。夏休みが終ると、よく愉快だった海の旅の話を齎して私の下宿を訪れた。其の時の私の山の話も同君の感興を唆ったことは、幾程もなく同君が熱心な山岳宗徒になったことに徴して、疑う余地がないようである。其後二人は一年許り同じ下宿屋に居ったので、日曜日には必ず草鞋ばきで握飯を携え、早朝から近郊を歩き廻ることにしていたが、終には東京附近の目星しい場所は行き尽してしまった。かくて秩父の山地に二人の足が向うようになったのは必然的の運命であったのである。
明治四十二年の五月下旬、二人は雲取山に登る目的で小仏峠から武相の国境山脈を歩き出した。