후리가나로 읽는 일본 고전
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くうをとぶパラソル
空を飛ぶパラソル
夢野 久作
夢野 久作의 空を飛ぶパラソル(くうをとぶパラソル)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,190자 · 40화면
……この頃死んだ男の子の墓だな……と思うと、私は何とも云えないイヤナ気持ちになった。ジッと眼を閉じると間もなく、薄暗く、ダラリと垂れた鯉幟の姿が、又もアリアリと瞼の内側に現われたので、思わず頭を強く振った。
しかし筥崎駅で汽車が停ると、私は妙に降りて見たくなった。それでも暫く躊躇して考えていたが、発車間際に思い切って飛び降りて見ると、今度は是が非でも今一度、あの墓原へ行かなければならないような気持になった。それは一種の新聞記者本能で、あの墓原の鯉幟が、何かしら面白い記事になりそうに直感されたからでもあったろう……が……一方から考えるとこの時既に、アノ鯉のぼりが象徴している不可思議な、悪魔的な魅力が、グングンと私の心を引き寄せていたのかも知れない。とうとう社へ出るのを後まわしにして、鉄道線路を十五六町程引返すと、最前の墓原へやって来た。
幟棹は墓地の最南端の、麦畑や村落を見晴らした処に樹てられていた。二間ばかりの細い杉丸太の根元を、砂の中に埋めたもので、大小三匹の紙製の鯉は、いずれも数日前からブラ下っていたものらしく、上の方の一番大きな緋鯉も、その次の青も、その下の小さな黒鯉も、雨や夜露に打たれて色が剥げ落ちたまま、互いにピシャンコになってヘバリ附き合っている。