후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
山本 周五郎의 竹柏記(ちくはくき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,798자 · 91화면
枝ぶりの、尋常でつつましいのと、渋く、見飽きのしない葉の色とに、彼はひじょうな愛着を感じていた。それを妻の居間の、前へ移したのは、その木に、自分の心を託すという、ひそかな想いをこめてのことであった。
朝食の膳には坐ったが、それはかたちだけで、なにも喰べずに、箸を措いた。
杉乃はなにも云わなかった。
食事をしないことにも、なにも云わなかったし、着替えのとき、肌衣を新しい白い物にしたときも、やはりなにも云わなかった。孝之助は父のところへ、挨拶にゆき、玄関へ出て、履物に足をおろしてから、ふと、ひと言だけ、なにか妻に云いたい、という衝動を感じた。それは口までつきあげてきたが、硬い、無表情な、杉乃の顔を見ると、つい云いそびれて、そのまま外へ出た。
大雲寺ヶ原というのは、城下町を東へ出はずれたところにある。
それは北畠の山荘のある丘陵が、染井川へと、低く裾をひく地形であって、俗に「柊寺」と呼ばれる、大雲寺が、丘ふところの森の中にあり、その前に、道を隔てて、かなり広く(一方は染井川の岸に到るまでの)草原がひらけている。眺めがいいので、城下の人々の恰好な行楽地になっていたし、ことに秋草のころは、野宴を催すものが多かった。