일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かがりびのおんな

篝火の女

吉川 英治

吉川 英治의 篝火の女(かがりびのおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,727자 · 56화면

아오조라 문고

騎馬の将が、鞍から喚いてゆく。徒歩の足軽は、日射病でばたばた落伍する。歩いている者でも、熱病のような呼吸づかいである。どの顔も、眼ばかり光らし、汗を流している荒壁にひとしい。

『くそうッ! 歩べッ!』

牛車が十輛ばかり、荷駄が三十頭ほど、軍のいちばん後から続いて行ったが、牛と馬も、暴れたり反れたりするので、遙かに、遅れていた。

『牛方さん、お休みよ』

その一輛の軍梱のあいだに、萩乃は乗せてもらって来た。足軽や、荷駄の者と、すっかり懇意になったおかげである。

『甘いものでも食べてさ。体がたまるまいよ』

『ばか言けっ、首が飛ぶわッ』

『気の毒だなあ、戦する男はよ』

『よう、女は見ておけ』

何うしても動かない馬を、足軽たちが槍の柄でなぐりつけると、馬は気が狂ってしまったらしく、田の中へ飛びこんで、ひとりで暴れ廻った。

『抛ってゆけ、抛って行け』

それも捨てて進みに進む。

おとといの夜、利根の川向うに現われた軍馬は、安中勢でなかったことを、萩乃は、翌朝この人たちに聞いて知った。

あの戦の後、間もなく、この一部隊は、安中へ行けと本陣から命をうけて出発したのである。萩乃は、ことによると主人の八雲はとうに安中城に入っているかも知れないと考えたので、急にこの軍旅へついて来る気になった。