후리가나로 읽는 일본 고전
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こうばいのきゃく
紅梅の客
吉川 英治
吉川 英治의 紅梅の客(こうばいのきゃく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,574자 · 15화면
なにか、世の男共の修羅妄執をなぐさめ救うために、かりに女と生れてきた菩薩か何ぞのようではないか。明治四十何年かの春の暮れ頃までは、なお辰稲弁楼にいたと聞く。
そんな一女性が、それから先、いったい世間のなかでどう暮らして行ったのだろうか。私はそのことに興をもって、順教尼とお会いした朝きいてみた。すると順教尼の話では、そのご、堅気の人に落籍かされてつい戦争中の頃までは阿佐ヶ谷へんに老後の世帯つつましく暮らしていたそうである。そして今はもう亡くなった。『……けれどただ、いまだに、おもしろいと思っているのは』と、順教尼がつけ加えた。『そのお方に落籍かされて、堅気になられましたやろ。そしてな、私がそのお家を訪ねて行きましたら、どう思いやす、よいお内儀さんにならはった瀬川花魁が、私へいちばん先にしたあいさつが、こう指をつかえて……お初に……と言いはりましたんだっせ。ほんに初めてお会いしたみたいに』
現代の女性のうちにはもう全く無いものである。古い女の典型としか嗤われまい。けれどその世代の中では、およねちゃんのそのあいさつにはじつに真剣なものがある。女の生き方、人生の割り切りかたにも、心情美がある。