일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こうばいのきゃく

紅梅の客

吉川 英治

吉川 英治의 紅梅の客(こうばいのきゃく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,574자 · 15화면

아오조라 문고

疎開していた吉原村の茅屋へ、ある日ひょっこり珍しい客三人が訪ねてくれた。奥多摩の単線電車は殺人的なものだし、進駐軍管内の立川をこえるだけでもたいへんな道中だったときである。それなのに客は思いがけないひとで、むかし吉原の引手茶屋で親しんだ仲の芸者の栄太郎とせい子とそして幇間の善孝とだった。忘れも得ないのは、その折、土産にくれた“橋場のせんべい”の味であった。久々振りに引手の朝の“せんべい花漬”なども思い出し、この戦争中、君たちは、一体どうして過ごしていたのか、吉原も焦土となっただけでなく、吉原病院のそばの池では、何千人が死んだそうだが、桐佐のおかみは助かったか、あの娘は死んでいないか。誰は彼はと、いやもう、こちらは暇な疎開人だし、客は下町調子の活達な連中なので、半日あまりは話題もつきない。

聞けば生き残った吉原の人々も、例外でなく闇屋になったり露店をひさいだり、彼女らもまた終戦の巷で、寿司ともいえない“握りずし”など売って今日をしのいでいるのだという。しかしそれにしてはみなからっとしたものだった。吉原気質といったような一種の気だては失っていず、朋輩たちやあわれな花魁の末路などに涙がたりの眼は腫らしても、また、人をして腹をかかえさせるような諧謔を交わし合うなどすこしも敗戦ずれの風や悪くベソを掻いている姿もない