후리가나로 읽는 일본 고전
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むらさきだいなごん
紫大納言
坂口 安吾의 紫大納言(むらさきだいなごん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,899자 · 26화면
もはや動かぬ大納言のありさまをみて、盗人たちは、はじめて打つことに飽きだしていた。ひとり、ふたり、彼等は自然に榾柮をなげた。そうして、いちばん最後まで榾柮をすてずにいたひとりが、榾柮の先に火をつけて、大納言のあらわな股にさしつけた。大納言は必死に逃げているのであろうが、びくびくと、ようやく芋虫のうごめきにすぎないところの反応をみると、盗人たちは声をそろえて、笑いどよめき、大納言を木立の蔭へ蹴ころがした。思いがけなく現れた当座の酒興にたんのうして、物言うことも重たげに、盗人たちはあたりのものをとりまとめて、いずこともなく立去った。
ほどへて、大納言は意識をとりもどした。すでに焚火も消えようとして、からくも火屑を残すばかり、あたりに暗闇がかえろうとしていた。
大納言は、今いる場所、今いる立場がわからなかった。やがて、自然にわかりかけてきたのであったが、分ろうとする執着もなく、その想念をたどる気力も失われていた。視覚もかすれ、また聴覚もとざされて、つめたい闇がはりつめているばかりであった。ただひとすじに、天女のかたち、ありさまと、その悲しみのせつなさを、くらやみのうつろの果に、ありありとみた。