일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 細雪(ささめゆき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,628자 · 371화면

아오조라 문고

かも知れない。妙子はその晩はそんなことには気が付かなかったが、でも、広い建物のわりに、外に一人も入院患者がないらしくひっそり閑としていたので、余程はやらない病院らしいとは思ったのであった。それに一つはその建物と云うのが、昔外人の邸宅だったのを直したものらしい、明治時代を偲ばせる旧式な洋館であったせいか、廊下の足音が高い天井に谺するような感じの、がらんとした、化物屋敷じみた病院で、妙子は一歩を中に蹈み入れた最初の瞬間に、何となく寒々とした、陰鬱な空気に襲われたことも事実であった。病人は、手術後病室へ運ばれて、麻酔から覚めると、枕もとにいる妙子を見上げて、ああ、僕は跛足や! と、悲痛な声を洩らしたが、それでも磯貝医院以来呻き続けてばかりいた病人が、尋常な物云いをしたのはその時が始めてであった。そればかりでなく、病人は、今の一語に徴すると、あの呻く怪物のように見えていた折にも、自分が現在どのような状態にあるのかをちゃんと意識しており、自分の傍でどんな相談が進行しているのかをも、よく知っていた訳なのであった。何にしても妙子は、病人がもう「痛い痛い」と云わないようになり、前よりずっと楽になったらしいのを見て、ほっとした。