후리가나로 읽는 일본 고전
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ぎびょうのつか
義猫の塚
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 義猫の塚(ぎびょうのつか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 989자 · 2화면
遠州の御前崎に西林院と云う寺があった。住職はいたって慈悲深い男であったが、ある風波の激しい日、難船でもありはしないかと思って外へ出てみた。すると、すぐ眼の下になった怒濤の中に、船の破片らしい一枚の板に一匹の子猫がしがみついているのが見える。そこで住職は山をかけおりて漁師の家へ往って、
「可哀そうだから、たすけてやってくれ」
と云ったが、風波が激しいので何人一人舟を出そうとする者がなかった。すると住職は、
「それでは舟をかしてくれ」
と云って、自ら舟を出そうとするので、漁師たちも住職の真剣な態度に動かされて、とうとう舟を出して其の猫を救った。そうして猫は西林院に飼われるようになったが、住職の云うことをよく聞きわけるので、住職も非常に可愛がった。
それから十年してのことであった。それは春のことであったが、其処の寺男が縁側で仮睡をしていると、小さなみゃあみゃあと云うような変な話声が聞えて来た。
「いい陽気じゃないか、一つ伊勢詣にでも往こうじゃないか」
「往きたいには往きたいが、近いうちに、うちの和尚さんの身に、変ったことがありそうだから」
「そうかね、おまえさんは、和尚さんに助けられた恩義があるからね」