후리가나로 읽는 일본 고전
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
松永 延造의 職工と微笑(しょっこうとびしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,696자 · 144화면
「低能は筋を引くものだ。」彼の女が斯んな風に考えているのは私にも充分分っている。彼の女は風のない静かな夕暮なぞには妄想の深みへ入って、自分の胎内に低能な児が哺くまれている有様なぞを見て驚いたりするらしかった。彼の女は或る時私と一緒に病院の標本室へ入って見た事がある。アルコール潰になった長い男性の脛などが白くフヤけて、罎の底へ足の毛が抜けてたまっているのが私を大変不愉快にした。それから或る無頭児の罎詰の前迄行くと、令嬢の顔が不意に歪むのを私は早くも発見した。
「畜生! この女は低能児をはらむ恐ろしさを又しても妄想して悩んでいる。」と私は腹の中で叱言を洩らさなければならなかった。
二人の女性が私を注視しているために、私は何時も気が落ち着かなくなり、勢い挙動も荒くなり勝ちだった。勿論注意深い院長は私が心を労らせている原因を見て取らずには置かなかった。
「私は外囲が心へ及ぼす効果と云うものに就いて、大きな興味を持っているのだ。何うだね。お前はあの紫の室で少し暮して見ないか。きっとお前の心がよくなるから。」善良な院長は浮かぬ顔をして斯んな風にすすめた。紫の室と云うのはヒステリー患者を治すために院長が業々造ったものであって、その中央に小さな噴水の出来ている静かな落ち着のある室であった。