후리가나로 읽는 일본 고전
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
大杉 栄의 自叙伝(じじょでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 115,021자 · 230화면
が、その間にも、このごく平静な気持を乱すたった一つのことがあった。それは、母家の方がいつもよりはよほど客の出はいりが多くて、そして妙ににぎやかにざわついていることだった。母は、できるだけ僕の気にさわらないように自分にもまたみんなにも勤めさせて、僕にはごくやさしくしてくれながらもできるだけ口数は少なくしているくらいだのに、その顔には憂いの暗い色よりもむしろ喜びの明るい色の方が勝っていた。そしてそのお客とはしゃぎ騒ぐ声がよく離れにまで聞えた。僕はうちに何かあるんだなと思った。そして、ふと、ある日、母とお客との話の間に「礼ちゃん」という言葉を聞きとめた。
「礼ちゃんがうちからどこかへお嫁へ行くんじゃあるまいか。」
僕はすぐそう直覚した。そういえば、いろいろ思いあたることもある。汽車で柏崎を通過した時、見覚えのある丈の高い頬から顎に長い鬚をのばした礼ちゃんのお父さんが軍服姿で立っていた。
「どうした。一緒に連れて来なかったのか。」
「うん。ちょっと都合があるんで、少しのばして、親子一緒にやることにした。」
父と礼ちゃんのお父さんとの間にそんな会話が交わされた。