후리가나로 읽는 일본 고전
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
大杉 栄의 自叙伝(じじょでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 115,021자 · 230화면
そして僕や伊藤が困りきっている時には、いつも神近が助けに来てくれていた。そんな場合の十円か二十円の金すらも工夫のできない僕や伊藤に、数百円というまとまった金のできる筈のないことを思うのも、彼女としては当然のことであった。そして、今から思えばこうも邪推されるのであるが、彼女はそれを知りぬいていて、郷里まで金策に行くという伊藤に二度までも旅費をかしたのであった。
僕は神近に、雑誌の保証金が、それがどうしてできたかということは言わずに、ただできたというだけのことを話した。そして当分葉山へ行くということを話した。
「葉山へは一人で?」
保証金の方のことは彼女には大して興味がないようだった。が、彼女には、この「一人で」かどうかがよほど気になるらしかった。
「勿論一人だ。みんなから逃げて、たった一人になって仕事をするんだ。」
彼女はこの「たった一人に」ということにしきりに賛成した。そして、ゆっくりと、うんと仕事をして来るようにとしきりに勧めた。
当時僕は、女房の保子を四谷の家に一人置いて、最初は番町のある下宿屋の二階に、そしてそこを下宿料の不払で逐い出されてからは、本郷菊坂の菊富士ホテルというやはり下宿屋に、伊藤と二人でいた。