후리가나로 읽는 일본 고전
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
山本 周五郎의 花も刀も(はなもかたなも)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,364자 · 178화면
「夜遊びをしてはだめだな」と、幹太郎は幸坊に云った。
幸坊は「うん」と頷いたが、悪かったという顔ではなく、なにかもの云いたげな眼つきだった。
「寺小屋へは、きちんとかよっているか」
「うん、いってるよ」
「清書があったら見せてくれ」
幸坊は聞えないふりをして「平手さんのおじさん」と話をそらし、増上寺の山内の欅へ登って、雀の卵を取ったことや、金杉橋の下流で魚がよく釣れることなどを、能弁に語りだした。まあ待てよ、と幹太郎は遮った。まあちょっと待て、おれはまだいちども聞かなかったが、おまえ、どこで生れたんだ。親やきょうだいはどうしたんだ、と幹太郎は訊いた。
「知らねえよ」
と幸坊はそっぽを向いた。
「知らないって――自分の生れた処も、親きょうだいのことも知らないのか」
幸坊は「ああ」と云った。
「でたらめでよければ云えるけれど、平手さんのおじさんに嘘はつけねえから――」
幹太郎はじっと幸坊を見た。
――本当なんだな。
大きな火事や洪水があれば、親きょうだいに死なれ、親類の所在もわからないような孤児の出ることがずいぶんある。これらの多くは『ところ預け』となって、町内の負担で養育されるのだが、うまく成長する例は稀で、浮浪者、乞食などにおちるのが大部分のようであった。