후리가나로 읽는 일본 고전
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
山本 周五郎의 花も刀も(はなもかたなも)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,364자 · 178화면
殆んど無意識に手が伸びたのであるが、強い香料の匂いと、小柄な体つきとで「女だな」と直感し、それが、そんな行動をとらせたのだろう。掴んだ肩は小さく柔軟で、温かかった。
相手は身をふり放そうとした。
「お待ちなさい」と、幹太郎は相手の腕を取った。
すると相手は向き直り、幹太郎へ自分の体を押しつけようとした。彼は危険を感じて身を捻り、伸びて来た相手の利腕を掴んだ。その手は懐剣を持っていた。
「無法なことをする」と、幹太郎が云った、「なに者だ。賊か」
そう云いながら利腕を逆にし懐剣をもぎ取った。
この争いは呼吸五つばかりの、ごく短い時間のことだったが、幹太郎が相手の懐剣を奪い取ったとき、うしろから人の襲いかかるけはいを感じた。
幹太郎は女を突き放し、「私は道場の平手幹太郎だ、はやまるな」と、叫んでとびさがった。
襲いかかった人間は踏み停り、黙って身を跼めてこっちをうかがった。刀を抜いているらしく、闇の中に白く刃のゆれるのが見えた。幹太郎は、「よせ」と、低い声で云った。
女はすでに逃げ去っていた。
「よせ、誰だかわかっているぞ」と、幹太郎は云った。
相手は激しい呼吸をし、なお黙ったまま、じりじりとうしろへさがりだした。