후리가나로 읽는 일본 고전
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あぢさい
花火・来訪者 他十一篇
永井 荷風
永井 荷風의 花火・来訪者 他十一篇(あぢさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,046자 · 104화면
返事で承知した。最初の一箇月は何が何やら分らず仕舞に過ぎてしまって、次の月の晦日に及んだ時、お千代は家賃と米屋炭屋酒屋肴屋等の諸払いを済すとそれで最う手元には一円札の一、二枚がやっと残った丈けで、とても親元へ十円の仕送りの出処がない。晦日というその日に限って旦那も店がいそがしいと云うのでやって来ず、お千代は仕方がないので指環を質入して親元への仕送をすました。ここでお千代は始めて五十円じゃなかなか楽にやって行けるものじゃない。毎日の小使湯銭にも気をつけ、殊には多年の習慣になっている買喰をも節しなければならぬ。いやそれ処か、親元身受にして前借金を片付ける時、芸者時分の着物は大方抱主に引渡してしまった処から、この冬には早速外出の衣裳にも困るわけである。お千代はすっかり鬱込んでしまった。幾度も念を押された末、五十円ならばきっとやれますと立派に約束したその傍から、殊には引く時前借の始末や引越その他の物入をかけた後の事とて、そう手軽く月々の手当の増額を強請るわけにも行かないと思うと、根が悪気のない女だけに、お千代は始めての世帯の苦労に、何となく身の行末までが心細くてならなくなった。