후리가나로 읽는 일본 고전
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あぢさい
花火・来訪者 他十一篇
永井 荷風
永井 荷風의 花火・来訪者 他十一篇(あぢさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,046자 · 104화면
旬日を経てその男は以前の短冊を受取りに来た際、帰りがけに更にまた二、三十枚の短冊に拾円紙幣一枚を添え、重ねて揮毫を請うて去った。その後幾度となく催促に来たがわたくしは再びその男の短冊には筆を秉らなかった。しかし二、三個月の後あまり度々催促に来るので、わたくしは拾円札と短冊とをその儘郵便で返送してやった。するとその男は一回催促に出京する毎に往復一、二円の車賃をつかった。計算すると二、三十円になるがこの損失は一体どうしてくれるのか。このままには済まされないという返書を寄越した。
次には関西の某市で書画の販売を業としている者がわたくしの許に訪い来って短冊に俳句を書いてもらいたいと云う。わたくしは暇があったら書いてもよいと答えると、商賈はその翌日短冊二、三百枚ほど運んで来て、紅黄緑白およそ五彩に分った短冊に、その赤いものには春季の句、青いものには夏の句を書いてもらいたいといろいろな注文をする。わたくしは黙々として聞いていたが、心中窃にかの商賈の言う所はさながらむかしの大名が平生出入扶持を給して置く抱の儒者に命じて詩をつくらせると同じようであると思ったので、そのまま打ち棄てて筆を染めなかった。