일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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えいほんどじょうりくせんのぜんや

英本土上陸戦の前夜

海野 十三

海野 十三의 英本土上陸戦の前夜(えいほんどじょうりくせんのぜんや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 35,727자 · 72화면

아오조라 문고

二人の女は、なかなか出て来なかった。一体、奥で、なにをしているのであろうかと、仏が立ち上ったとき、やっと声がして、二人の女は出て来た。

「あなた、これよ。このバッグを二つ、持ってくださらない。あたしは、この小さいのを二つ持ちますわ」

仏は、そこへ並べられたバッグを見たが、一向見覚えがないものだった。記憶の消滅の情けなさ。

二人は、下宿を出た。

駅の方へ歩きながら、仏が、ふと思い出したようにいった。

「ねえ、アン。おれは懐中無一文なんだがねえ、リバプールの英蘭銀行支店で、預金帳から金を引出していく暇はないだろうか」

「否。そんなことをしていれば、列車に乗り遅れてしまいます」

「じゃあ、一列車遅らせてはどうだ」

「それは駄目。あの列車に、ぜひとも乗らなくては。だって、いつまたドイツ機の空襲で、列車が停ってしまうか分らないんですもの」

そういったアンの顔は、仏が始めて見る真剣な顔付であった。空襲を要慎してということだったけれど、それにしても、それほど深刻な顔をしなくてもいいだろうにと、仏は思ったことである。

ロンドン行の切符をアンが買った。そのとき切符売場で駅員とアンの間になにかごたごた押問答の場面があったが、アンが旅券みたいなものを示し、そして仏天青を呼びつけて、彼の顔を駅員に見せることによって、二枚の切符は、ようやく