후리가나로 읽는 일본 고전
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おちばいき
落ち梅記
山本 周五郎
山本 周五郎의 落ち梅記(おちばいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,748자 · 61화면
四
四
沼原は城下から二十余里あったが、領内に属していたので便宜はよかった。藩主の行列が去ったのは云うまでもない、けれども侍医の渋沢良石が特に残されていて、手当には欠けるものがなかった。――金之助が駆けつけてから三日のあいだ、助左衛門はまったく意識がなく、ただ昏々と眠り続けていた。
「保証はできないが、たぶんいちどは持直すでしょう」良石はそう云った、「――しかし元どおりの躯になれるかどうかは……」
そしてまた次のようなことも云った。
「殿さまは御出立のとき見舞いにおわたりなされまして、お人払いのうえこういうことを仰せられました。――必ず治れよ助左、ここで死んではこれまでの苦労が却って仇になるぞ、まだここで死んではならぬぞ、……もちろん沢渡どのにはおわかりにならなかったでしょうが」
その言葉にはじつは重大な意味があった。金之助は後になって思い当ったのであるが、そのときはまだなにも知らず、二十年ちかく信任して来た家臣への、労り励ます言葉として聞いただけであった。――四日めに助左衛門は意識を恢復した、しかし眼と唇が僅かに動くだけである。殆んど全身が不随のままで、ときどき唖者のような喉声をもらした。