후리가나로 읽는 일본 고전
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山 清의 落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 239,741자 · 486화면
そしてそれには私はまいったのだが。……また自分の監督の下へかえってきた私にその人はまた心を向けてくれた。そしてそういうその人の心にいつかまた私はたよっていたのだ。そしてそれは終りまでつづいたのだ。私のような不甲斐ない者を気の毒に思ってくれた一人の生活人がいたのだ。
私はここではもう一つの名で呼ばれた。私の称呼番号は「七五〇」だった。私の衣服の襟のうえに、使っている手拭いのはしに、膳箱の蓋のうえにその番号が見られた。いつか私はそれを自分の名のように思うようになった。その人は多く私を単に「五〇」と呼んだ。私はその人が私を「五〇」と呼ぶ声が好きだった。その声にはいつも愛情が感ぜられたから。それに私はかつて人からそんな風に呼ばれたことがなかったのだ。「五〇」という番号がいいのだ。声に出すと自ずと感情が籠もる呼び名だ。愛称のもつひびきがある。そして私の心はそれを愛称として聴いたのだ。「七五〇」、この番号は私にだけ与えられたものではない。しかし私の思い出のなかでは、その人の声の下にはただ私の顔と心とがあるだけだ。その人が私を呼んだ声の思い出、私のうちにあるものはこれだけだ。