후리가나로 읽는 일본 고전
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いっぺいそつ
蒲団・一兵卒
田山 花袋
田山 花袋의 蒲団・一兵卒(いっぺいそつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,948자 · 59화면
ここからまっすぐに三、四町行くと一棟の洋館がある。その洋館の入り口には、酒保が今朝から店を開いているからすぐわかる。その奥に入って、寝ておれとのことだ。
渠はもう歩く勇気はなかった。銃と背嚢とを二人から受け取ったが、それを背負うと危く倒れそうになった。眼がぐらぐらする。胸がむかつく。脚がけだるい。頭脳ははげしく旋回する。
けれどここに倒れるわけにはいかない。死ぬにも隠れ家を求めなければならぬ。そうだ、隠れ家……。どんなところでもいい。静かな処に入って寝たい、休息したい。
闇の路が長く続く。ところどころに兵士が群れを成している。ふと豊橋の兵営を憶い出した。酒保に行って隠れてよく酒を飲んだ。酒を飲んで、軍曹をなぐって、重営倉に処せられたことがあった。路がいかにも遠い。行っても行っても洋館らしいものが見えぬ。三、四町と言った。三、四町どころか、もう十町も来た。間違ったのかと思って振り返る――兵站部は燈火の光、篝火の光、闇の中を行き違う兵士の黒い群れ、弾薬箱を運ぶかけ声が夜の空気を劈いて響く。
ここらはもう静かだ。あたりに人の影も見えない。にわかに苦しく胸が迫ってきた。