후리가나로 읽는 일본 고전
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あざみ
薊
山本 周五郎
山本 周五郎의 薊(あざみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,800자 · 32화면
「その人に帰ってもらってもいい」と彼が云った、「話はここでしてもいいんだ」
ゆきをはなにかを聞きすましていて、それから「しづさん」と呼んだ。すると、よりつきの六帖で女の答える声がした。茶席のにじり口から出て、そちらへまわっていたのだろう。ゆきをが呼ぶと、声をかけて襖をあけ、山岸しづがはいって来た。――年はゆきをより二つくらい若そうで、やわらかに肥えた躯つきや、色の白いまる顔など、まだどこやら少女めいた感じが残っていた。
「加川です」と銕太郎は会釈を返して云った、「妻が御厄介をかけたそうでお礼を申します」
しづは口の中でそれに答え、ゆきをに向って、それではお先に、と挨拶した。しづはいちども銕太郎の顔を見なかったし、ものを云うのも口の中で、恥ずかしげに低く、殆んど呟くようにしか聞えなかった。
――誰かに似ているな。
出てゆくしづを見ながら、銕太郎は首をかしげた。そしてすぐに、いつか夜半に妻の寝所で見た、召使のつるに似ていたようだ、と気がついた。つるは年もずっと若いし、躯も顔つきもまるで違う。しかし、それでいてぜんたいの感じに、おどろくほど共通したところがあるように思えた。