후리가나로 읽는 일본 고전
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くすりうり
薬売り
小川 未明
小川 未明의 薬売り(くすりうり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,791자 · 8화면
薬売りの持っていた大きな袋の形によく似ていました。ともすると、この袋も薬売りが持っていたのかもわかりませんでした。
袋を開けてみますと、その中には小さな遠眼鏡が入っていました。これこそ、じつにどんな鳥の目よりも敏い不思議な眼鏡であって、まったく、わしがいつか命を救ってもらったお礼に太郎に持ってきてくれたものだとわかりました。
夜が明けると、風は止みましたけれど、沖の上には黒雲が垂れ下がって、ゆく船の影が見えませんでした。
太郎は浜辺に立って、わしのくれた遠眼鏡で沖の方をながめますと、ちょうど、わしの瞳のようにその眼鏡は、幾百里も遠い遠い海原の景色が、その中に映るのでありました。
その方は波が穏やかで、太陽が静かに大空に燃えていました。空は、青く、青く晴れて、海鳥が飛んでいるのも見えました。そうして幾そうかの船が黒い煙を上げて、ゆうゆうとして波の上を航海していました。太郎は、遠目鏡で、薬売りの乗っていった船は見えないかと、いろいろに探しました。
すると、いちばん遠くゆく船があります。つぎに、それよりやや後れて形の変わった船があります。もしや、それでないかと、じっと眼鏡をその船の上に向けて子細に見ますと、いつかこの港に入った、彼の見慣れない船でありました。