후리가나로 읽는 일본 고전
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ぐびじんそう
虞美人草
夏目 漱石의 虞美人草(ぐびじんそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 198,559자 · 401화면
小夜子はこの明かなる世界を抱いて眠についた。
長い車は包む夜を押し分けて、やらじと逆う風を打つ。追い懸くる冥府の神を、力ある尾に敲いて、ようやくに抜け出でたる暁の国の青く煙る向うが一面に競り上がって来る。茫々たる原野の自から尽きず、しだいに天に逼って上へ上へと限りなきを怪しみながら、消え残る夢を排して、眼を半天に走らす時、日輪の世は明けた。
神の代を空に鳴く金鶏の、翼五百里なるを一時に搏して、漲ぎる雲を下界に披く大虚の真中に、朗に浮き出す万古の雪は、末広になだれて、八州の野を圧する勢を、左右に展開しつつ、蒼茫の裡に、腰から下を埋めている。白きは空を見よがしに貫ぬく。白きものの一段を尽くせば、紫の襞と藍の襞とを斜めに畳んで、白き地を不規則なる幾条に裂いて行く。見上ぐる人は這う雲の影を沿うて、蒼暗き裾野から、藍、紫の深きを稲妻に縫いつつ、最上の純白に至って、豁然として眼が醒める。白きものは明るき世界にすべての乗客を誘う。
「おい富士が見える」と宗近君が座を滑り下りながら、窓をはたりと卸す。広い裾野から朝風がすうと吹き込んでくる。
「うん。さっきから見えている」