후리가나로 읽는 일본 고전
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へび
蛇
森 鴎外의 蛇(へび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,073자 · 23화면
明け易い夏の夜に、なんだってこんなそうぞうしい家に泊り合わせたことかと思って、己はうるさく頬のあたりに飛んで来る蚊を逐いながら、二間の縁側から、せせこましく石を据えて、いろいろな木を植え込んである奥の小庭を、ぼんやり眺めている。
座布団の傍に蚊遣の土器が置いてあって、青い烟が器に穿ってある穴から、絶えず立ち昇って、風のない縁側で渦巻いて、身のまわりを繞っているのに、蚊がうるさく顔へ来る。夕飯の饌に附けてあった、厭な酒を二三杯飲んだので、息が酒の香がするからだろうかと思う。飲まなければ好かったに、咽が乾いていたもんだから、つい飲んだのを後悔する。
ここまで案内をせられたとき、通った間数を見ても、由緒のありげな、その割に人けの少い、大きな家の幾間かを隔てて、女ののべつにしゃべっている声が、少しもと切れずに聞えているのである。
恐ろしく早言で、詞は聞き取れない。土地の訛りの、にいと云う弖爾波が、数珠の数取りの珠のように、単調にしゃべっている詞の間々に、はっきりと聞こえる。東京で、ねえと云うところである。ここは信州の山の中のある駅である。
暫く耳を済まして聞いていたが、相手の詞が少しも聞こえない。