후리가나로 읽는 일본 고전
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しんきろう
蜃気楼
芥川 竜之介의 蜃気楼(しんきろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,624자 · 10화면
それはどうしても海の色が陽炎に映っているらしかった。が、その外には砂浜にある船の影も何も見えなかった。
「あれを蜃気楼と云うんですかね?」
K君は顋を砂だらけにしたなり、失望したようにこう言っていた。そこへどこからか鴉が一羽、二三町隔った砂浜の上を、藍色にゆらめいたものの上をかすめ、更に又向うへ舞い下った。と同時に鴉の影はその陽炎の帯の上へちらりと逆まに映って行った。
「これでもきょうは上等の部だな。」
僕等はO君の言葉と一しょに砂の上から立ち上った。するといつか僕等の前には僕等の残して来た「新時代」が二人、こちらへ向いて歩いていた。
僕はちょっとびっくりし、僕等の後ろをふり返った。しかし彼等は不相変一町ほど向うの笹垣を後ろに何か話しているらしかった。僕等は、――殊にO君は拍子抜けのしたように笑い出した。
「この方が反って蜃気楼じゃないか?」
僕等の前にいる「新時代」は勿論彼等とは別人だった。が、女の断髪や男の中折帽をかぶった姿は彼等と殆ど変らなかった。
「僕は何だか気味が悪かった。」
「僕もいつの間に来たのかと思いましたよ。」
僕等はこんなことを話しながら、今度は引地川の岸に沿わずに低い砂山を越えて行った。