후리가나로 읽는 일본 고전
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
室生 犀星의 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ(われはうたえども やぶれかぶれ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,726자 · 90화면
という病札がぶら下がっているのを確かめた。エレベーター前の控えの長椅子に手術を終え健康をとりもどした患者達は、患者という名前から街の紳士に早変りして、うまそうに喫煙のけむりの中に互に話し合っていた。病室で喫煙してはいけないのかと、愚鈍な私ははじめて首をすっこめた。
夕方、ふたたびカテーテルが挿入され、私の眼はかすみ穴の中にはまり込んで身動きも出来ない態になった。疼きはあたらしい荊の尖を突っ刺して来るのだ。併し私は黙ってこれらの一さいが終った時、逃亡感が実際にはどの程度に行われるかは判らないが、院外の街路とタクシーと、ふらりと出て一分間以内に此処をはなれることに頭が奪られた。それはただの一分間でやけくその私の別の一日がやって来るということであった。
今日泌尿の大家である安西博士の往診があるという秋成主治医の前ぶれがあって、午後安西博士が来診、博士はカテーテル挿入の苦痛は、なれてしまえば入歯と同じであるという説を述べ、私は入歯とはうまい比較論だと思い、入歯も入歯、たいへんな入歯だと思った。安西博士はゴムの手袋の消毒等について看護婦に質問をしてから、内診の用意にかかったが、突然、看護婦のしごとのしづらいことが毛にあること、長い毛が邪魔をしているらしく、毛は刈った方がいいね、と言った。