후리가나로 읽는 일본 고전
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
室生 犀星의 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ(われはうたえども やぶれかぶれ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,726자 · 90화면
それから退院後のレントゲン写映のために通う病院で、一度は四階の病室の前廊下に立ち寄ってただ歩いて見たかった、或る午後やっと病室前まで行ってみたが、担架ではこぶ患者がいるらしく担の病札が出ていた。何時もこんなに静かであったろうかと思える病室前の廊下には、全く誰も一人の看護婦も通っていなかった。私はあんなに自由に出入りしていた病室の扉に、いまは指一本触れることの出来ないことが、病院の規則であり私のまもらなければならない対社会的の方則であることを思い、嘗て私を寝させてくれた病室の前を徐ろに去った。そしてエレベーターの前に立った時に、もう一軒私に寄らねばならない所のあることに気づいたが、同時に奥テル子の瞳が異様にくるくる廻ってなにごとかを暗示した。何処に寄らなくとも彼処だけは寄らなければならないと、私はテル子にうなずいて見せてはばかりに行った。此処も今日はしんとして人は誰もいない、水の捌ける音が一面に起っていた。白い偉大なる尿器の前にそれを行うた時、私は無心であった。あの時は苦しかったがもう私は治ったという言葉を頭にうかべたが、それは尿器に対う前のほんのちょっとした時間のあいだにうかべた数行であった。