후리가나로 읽는 일본 고전
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こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
岡本 かの子의 蝙蝠(こうもり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,107자 · 23화면
それはまだ、東京の町々に井戸のある時分のことであった。
これらの井戸は多摩川から上水を木樋でひいたもので、その理由から釣瓶で鮎を汲むなどと都会の俳人の詩的な表現も生れたのであるが、鮎はいなかったが小鯉や鮒や金魚なら、井戸替えのとき、底水を浚い上げる桶の中によく発見された。これらは井の底にわく虫を食べさすために、わざと入れて置くさかなであった。「ばけつ持ってお出で」井戸替えの職人の親方はそう云って、ずらりと顔を並べている子供達の中で、特にお涌をめざして、それ等のさかなの中の小さい幾つかを呉れた。お涌は誰の目にもつきやすく親しまれるたちの女の子であった。
夏の日暮れ前である。子供達は井戸替え連中の帰るのを見すまし、まだ泥土でねばねばしている流し場を草履で踏み乍ら、井戸替えの済んだばかりの井戸側のまわりに集ってなかを覗く。もう暗くてよく判らないが、吹き出る水が、ぴちょん、にょん、にょんというように聞え、またその響きの勢いによって、全体の水が大きく廻りながら、少しずつ水嵩を増すその井戸の底に、何か一つの生々していてしかも落ちついた世界があるように、お涌には思われた。